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究極のサジェスチョン


ぼくは学生時代の大方をマクドナルドのアルバイトに費やした。そこで経営やマーケティングといった類いに興味を持ったのである。

当時は店舗責任者として店頭で様々な施策を行っていた思い出がある。拙いマーケティングの知識を使って奮闘していたのが懐かしい。そのマクドナルドだが、また価格を変動する。「マクドナルド、4月からハンバーガー100円に値下げ」価格戦略についても言及するべきことはあると思うが、今日はなぜマクドナルドは経営が苦しくなっているのか、またDataArtとして何ができるのかを考えてみた。

 

◎真の原因はフランチャイズの拡大
昨今のマクドナルドにはマーケティングが瞑想しているなどという声も多く聞く。しかし、果たしてマーケティング施策は本当に失敗しているのか?ぼくの答えは「マーケティング施策は失敗している、ただマーケティング戦略は失敗していない」である。もしかしたらマーケティング戦略も失敗しているものもあると思うが、それ以上の課題が存在していると思っている。

1.直営店とフランチャイズの対比は7:3から3:7になっている
マクドナルドは以前からフランチャイズ拡大を進めている。もちろんフランチャイジーからはロイヤリティを徴収しており、直営店舗よりもフランチャイズ店舗の方がかかる運営するコストは膨らむ。そのため、フランチャイズ店舗が増加したということは、コストが圧迫された店舗が増加したということになる。

2.ロイヤリティを支払う分はどこで補う?
ではそのロイヤリティはどこで帳尻をあわせるか。マクドナルドのPLにおいて大きな比率を占めているのはレーバー(人件費)だ。もちろんその他の方法で帳尻をあわせることも考えられるが、直営店よりもレーバーを投資できないのが現実だろう。つまり、フランチャイズ店が増加したということは、レーバーが投資しにくい店舗が増加したということになる。

3.レーバーが削減されると起こる影響
店舗で稼働する人数が削減されたらどうなるか。きっと経験がある人も多いと思うが、「商品提供が遅い」「商品の質が悪い」「サービスの質が悪い」「店舗が汚い」など、店舗のQSCが低下する。そんな店舗行きたくないですよね?また、あわせて店舗で稼働する人数が削減されるとできないことがある。それは新商品のローンチに適切な稼働人数を配置できないこと。せっかくのマーケティング戦略も店舗で威力を最大化できていない。話しを戻すと、ぼくのマクドナルドのマーケティングに対する考えは「戦略を最大化するための施策が店舗で実行できてないので、施策が失敗している」という結論になる。

つまり、店舗QSCを含む店舗力(リピーターも醸成できないしね)が経営不振の原因であり、その根底にある原因がフランチャイズ拡大にあるのではと推測している。そのため、改善策はフランチャイズロイヤリティの見直しなどになるのではないだろうか。(もちろん他にも課題があるので一概には言えないが。)

 

◎直近の打開策は究極のサジェスチョン
では自分が店舗責任者を継続していたら、いまの現状に対してどのような施策を行うのかと考えてみた。まず、店舗でできることを売上構成のロジックツリーを使って整理した。
※先ほどのフランチャイズの話しも含む。
ロジックツリー

整理すると店舗努力でできることは極論二つに絞られる。

1.QSCの向上によるリピーターの増加
→新規顧客を再来店させることと、既存顧客の来店頻度を高めること
2.サジェスチョンによる単価の増加
→購入商品個数を増加させることと、商品単価を増加させること

前者は先ほどのレーバー投資の話しにも関わるが、店舗努力という点だと「優秀な人材育成」などの人に関わる部分が中心になるのではと推測している。後者については現状も実施している様子。ただ、効率的・効果的ではないという印象。ぼくも客として経験があるが、いまは小腹が空いているのになーと思っても、如何にもボリュームをうたっているような新商品をお勧めされる。絶対買わない。

マクドナルドではかざす会員という独自の会員制度を持っている。登録しているとクーポンや新商品情報を提供されるという仕組み。The JV株式会社というドコモとマックのジョイントベンチャーが運営会社だ。ここで行っているのはおそらくビッグデータの解析からアクション策定。ID-POSデータを活用しているはず。事例としてはクーポンをセグメントごとに配信分けしている施策などが有名だ。ただ、あくまでマクロでのエリアレベル。ミクロな店舗レベルでは施策を行っていない。

ぼくはいまデータを扱える。データアーティストとしてデータ解析からアクション策定まで実施できる自信がある。店舗単位のデータを提供してもらえれば、おそらく客単価をあげるための「究極なサジェスチョン」を導ける。「だれに何をサジェストすれば●●%の確率で成功する」という具合にだ。あとは店舗オペレーションとのバランスを考えて、無理のないセグメントを行う。その上でサジェスト内容を決定する。これだけで、3300店舗で上位数パーセントに入る売上対前年比を作れるだろう。特にマクドナルドの場合、スケールメリットがある。一日数十円単価が上がれば、その影響は大きい。

たらればだが、データ分析ができなくとも店頭誘導は本社に任せて、徹底して「リピート顧客増加」と「客単価増加」を目指すことで店舗努力での数字は劇的に変化するはずだ。これを数年前に理解していればもっと効率的な店舗運営ができたはずである。

 

◎外食におけるデータ分析を地域活性化に活用する
マクドナルドの課題分析を考えながら、ふと思いついた。この客単価の向上って地域の外食産業でもできないかと。いまではマクロミル社が提供する無料のアンケートシステムもあるし、簡単にID-POSデータを取得できるシステムは数多く存在する。データ取得のプラットフォーム構築においても自分の知識でできることも多い。この内容を精査することで、ひとつ地域活性に結びつくソリューションは提供できるのではないだろうか?究極のサジェスチョンは魔法使いの魔法のひとつに過ぎない。