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表面的な「socialdesign」ではなく、仕組みとしての「SocialDesign」を実現していきたい


先週から立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科が主催する「ソーシャルデザイン集中講座 2014」に参加しています。前々から考えているサードセクター事業の大枠が固まりまして(サードセクター事業の詳細はパートナーがしっかりまとめていますのでこちらからどうぞ!)、いざ事業推進というタイミングなのですが、あまりに自分がこの分野に対して知識や経験がないため、有償講座なのですが申し込むことにしました。パートナーはもともと社会学を専攻していて、実際にNPO法人にもボランティアとして参加している経験もあり、学術的な知識も現場の感覚も持っているので、ある程度自分も基礎知識は持っていたいなと思っていましたので、ちょうどよいタイミングで講座に参加することができました。まー、学術的知識がどこまで新事業に必要になってくるのかはわかりませんが、課題解決の手法となるマーケティングにはかなりの時間を費やして、学術的にも実践的にも経験を積んだので、社会学を学ぶことで異質の統合のきっかけにしたいなと思っています。ちなみに、書籍でもいくつか勉強はしたのですが、やはり知識の深堀ができずに先日まで苦しんでいました。。。長くなりましたが、そんなきっかけから参加している講座ですが、せっかく講義を受けているので、各回ごとのサマリをまとめていければと思います!

 

第1回 社会デザインへの招待―ソーシャル・イノベーションへ向けて 講師:中村 陽一氏

概要:なぜ、社会デザインはこれからの企業人にとって必須なのか?多様なテーマ・キーワード群と豊富な事例を紹介しつつ、企業・行政・NPO/NGOすべてにまたがる基本的な考え方と実践へのヒントを学びます。映像資料も多用して視覚的な理解も進めます。

ここからはぼくが取り上げたいトピックを紹介していきます!

講座参加者の構成が想定外でした!

いきなり講義内容ではないのかい!と言われそうですが、まず驚いたのが参加者の属性です。有償の講座で比較的ニッチな分野がテーマなので、実際どのような人たちが参加するのかなと始まる前は妄想を膨らませていたのですが、、、例えばぼくみたいなソーシャルベンチャーを立ち上げたばかり(もしくは立ち上げ予定)の比較的若手の経営者や、企業勤めだけど刺激を求めている若手サラリーマンなど、要はぼくと同い年ぐらいの人が多いのかなと思っていました。ただ、実際にぼくが参加しているクラスは50人弱ぐらいで、ぱっと見た感じ30・40代がボリュームゾーンを占めていました。性別は男女半々ぐらいで、ぼくは勝手にいけいけの若手男性(自分はいけいけではないですが。)が多いと思っていたので、これも驚きです。中には50・60代の方たちもいて、20代男性はマイノリティでした。いわゆるソーシャルグッド的な人たちなのか、業務内容が近しくて強制的に会社から参加させられているのかなど、なにがモチベーションで参加している人たちなのかはまだわかりませんが、ぼくとしてはソーシャルビジネスという比較的イノベーティブだと感じている分野の参加者がいわゆるベンチャーと呼ばれるような企業とは違った構成になっているのが驚きでした。今後、全部で7回講義があるので、関係性を気づいて、モチベーションを探ってみたいと思います!このあたりも参加しなければわからなかった事実なので、ぼくとしては非常に面白く思っています。これもいわゆる現場主義の一つだと改めて思いましたが、これもパートナーのような専門的な人たちからすると普通のことかもしれませんが・・・だから、ぼくは勉強しなきゃダメなんですよねー。

ソーシャルデザイン・コミュニティデザインとは?

今回は初回の講義ということもあり、核論ではなく、比較的ひろい視点での概論的な内容でした。言葉の定義や社会学の思考法が垣間見えた内容が多かった印象です。その中で冒頭からサブタイトルのような質問を受けました。みなさん上記のような言葉の定義や印象ってどのように思っているんですかね?ぼくは「社会的課題(=ソーシャル)に対して、表面的なアクションで解決するのではなく、持続的な仕組みを設計して(=デザイン)解決すること」というとらえ方をしていました。勉強した内容ではないので、言葉の印象とぼくがやりたいと思っていることが全面に出ている解釈です。参加者の中には「社会全体におけるイノベーティブな活動」ととらえる方や「異質の統合を行うことで社会課題を解決していくこと」ととらえる方などがいました。まー、そんなくだりがありつつ、中村氏の定義が伝えられます。

・ソーシャルデザインとは従来の発想と方法論を超え、「社会」の仕組みや人びとの参画の仕方を変革し具体的に実現していくための思考と実践

※社会とは「異なる人間たちが、限られた空間のなかでともに住み合っていくことを可能にする知恵あるいは仕掛けの総体」。

いまいちぼくにはピンときませんでしたが、続きの話しを聞いていく中で少しづつ理解していきました。

そもそもデザインとは?

ソーシャルデザインにおけるデザインの定義は普段多くの方が使っているデザインとは少し性格が違いました。普段使うデザインという言葉の印象はきっと「製品やサービスの設計や絵や芸術品を作成すること」と思う方が多いのではないでしょうか。もちろんぼくもデザイナーと聞くとWEBなどのデザインを考える人だと思っています。ただ、ここではそのような狭義のデザインではなく、「社会の仕掛けや仕組みを大胆に組み替えていくことであり、「いまここではないどこかとなにものか」を求め続ける一連のプロセスのこと」と定義づけをされていました。少し噛み砕くと、通常使うデザインは「すてきな造形を作るクラフトマンとしてのデザイン」という意味に対して、ソーシャルデザインで使われるデザインは「ものごとを総合的に考えて創り上げるアーキテクトとしてのデザイン」という意味になります。そのため、ソーシャルデザインとは前者のクラフトマンのデザインを使用することで社会的課題を解決することではなく、後者の仕掛けや仕組みを大胆に組み替えたりするような”デザイン”を行うことで社会的課題を解決することととらえることができます。このデザインの意味をはきちがえると、「いい広告をうとう」や「だれもが使えるユニバーサルデザインのプロダクトを作ろう」みたいな発想になってしまうんですね。善悪の議論ではないのでこの発想が悪いわけではないですが、ソーシャルデザインやそれにともなうビジネスを考える際には間違っているということですね。

課題の本質を的確にとらえることが重要!

ここまで社会的な課題と気軽に「課題」という言葉を使ってきましたが、この「課題」のとらえ方が重要と講義では説明されていました。この点においては日々マーケティングリサーチを行っているぼくには非常に腑に落ちる内容でした。ぼくが行っているマーケティングリサーチもマーケティングにおける「課題」を的確にとらえて、その課題を調査で明らかにし、その後の解決策(言葉をかりるならデザイン)を提案するのが日常です。なので、ぼくがマーケティングにおける「課題」の本質を掴めなければ、最終的な解決策は非常に効果の低いもの、もしくはより悪化させてしまう解決策を提案することになります。このあたりの感覚が社会的な「課題」のとらえ方も重要だということです。例えば、マーケティングでいうと、売上の不振が続いているという課題があり、リサーチをするとどうやら商品の認知はされているがその後の購入に至っていない人が多いという結果が出ました。また、一度購入した人はリピートして商品を買っていたとすると、そこから考えらえる解決策はいかにトライアルを増やすかということになります。ではサンプリングをして疑似トライをしてもらいましょうという提案につながります。ただ、この課題を認知がされていないという結論(リサーチをすればこの間違いは絶対に起こらないですが)にすると、解決策はいかに知ってもらう人を増やすかとなり、ではマスでとにかくCMをうとう!となります。結果、知っている人は増えたけど全然売上は変わらないという結末になります。このように社会的な「課題」に対しても本質を見誤るとせっかくのデザインも無意味なものになってしまう恐れがあります。この点、今後ぼくが異質の一部になるのであれば課題の本質を見つけることはだれよりも得意な領域だといえます。ただ、ぼくもまだわかっていないのは現場の声。なんでNPOを立ち上げているのか?なんでボランティアをしたいと思うのか?その中で何が課題となっているのか?ここはもっと現場にいかなければと思っているので早速「いたばし総合ボランティアセンター」に行ってみようと思います。

社会を「良くする」から社会を「変える」へ

先ほどまで使用していた「ソーシャルデザイン」や「社会デザイン」にはいくつかの階層があるそうです。ここにきて、いままでのいろいろな情報が整理され、ぼくの中では定義が明確になりました。大きく分けて下記3つの階層があるそうです。

  1. 狭義のsocialdesign -たんなるアイデアや輸入
  2. 社会デザイン -社会の課題解決(ソリューション提供)
  3. SocialDesign -構造的・理論的・イノベーションを生むデザイン

このような整理がされていました。ぼくが冒頭で述べたソーシャルデザインの印象は3なのだとわかりました。ここも善悪の議論ではないので決して1が悪いわけではないですが、より精度の高いデザインとなると2や3にシフトされていきます。ぼく個人としては今後取り組むサードセクター事業ではより3を実現するデザインにしていきたいと思っていますし、それが実現できるコンセプトなのではないかとも思っています。ちなみに、1と3で使われている単語ですが頭文字が大文字と小文字であえて分けているそうなので今後は使う際に気を付けようと思います。といいつつ、ブログタイトルがテンプレの問題かすべて大文字になってしまいます。。。なお、この1~3を実現するために下記のようなデザインの思考法が大切だといいます。

・無から有を生み出すのではなく、今あるものの組み合わせを変える

・異質なものの多彩な組み合わせから考える

いわゆるアグリゲーションや異質の統合と呼ばれるあたりの内容でしょうか。このあたりについてはマーケティングを専門としているぼくが比較的得意な思考法だと思っていますので、より新たなデザインを生みやすいんではないでしょうか。また、このあたりが実現できるプラットフォームも用意していきたいと思いました。

まとめ

長くなりましが、ぼくが気になったトピックはこのあたりです。他にもトピックはあったのですが、すべてサマライズするととんでもない量になりそうなので、この辺でやめときます。(2時間30分の講義なので・・)最後に今回強く感じたことをまとめます。

  1. ぼくが実現したい「ソーシャルデザイン」は「SocialDesign」
  2. そのためには、課題の本質を見極めることがまずは重要。課題の見つけ方はリサーチャーとして知っているのであとは課題が多くあると思われる「現場」を自分の肌で感じていく

マーケティングという比較的課題解決の方法論が多い分野にいたぼくが、社会学という課題の枠組みなどを思考する分野を学ぶことで「異質の統合」のきっかけになると強く感じたので、引き続き勉強を進めていきます。もちろん、学術的な内容と現場でのフィールドワークの両輪でです。1年後にマネタイズしないと怒られるのでこの夏で基礎をみにつけつつ、せっかくクラスになっているのでネットワークも広げていきたいと思います!