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ストックの“シェア”からフローの“シェア”へ


先週に引き続き、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科が主催する「ソーシャルデザイン集中講座 2014」に参加しています。講座参加の経緯などは前回のブログから。早速ですが第2回の講義をサマライズしていきます!

 

第2回 超高齢社会・日本と「第四の消費」 講師:高宮 知数氏

概要:日本の社会はどうなっているのか、生活者はこれからどう動くのか?超高齢社会を読み解く種々のデータを活用しつつ、そこから今後の社会デザイン、コミュニティーデザインの糸口を探り当てます。

講師の高宮氏とは?

講義内容とは少し逸れてしまいますが、講義概要をご覧いただくと、ぼくとしてはよく見慣れた単語が多く。「生活者はこれからどう動くのか」「種々のデータを活用しつつ」という言葉もあったので、今回はもしかしてぼくの領域(マーケティングリサーチ)に近いのではと、始まる前からも思っていました。なので、今回の講師高宮氏には興味がありましたので、せっかくなので高宮氏についてもまとめておきます。

高宮氏の紹介サイト
https://sites.google.com/site/marketingaphorism/takamiya-tomokazu

まとめようと思ったらすでに存在していました。(笑)上記サイトをご覧いただくとわかると思いますが、広告代理店のプランナー→商業劇場プロデューサー→独立後マーケティングコンサル会社の代表というキャリアみたいです。その間、久留米市の市長アドバイザーや立教大学院の兼任講師も務めるなど、活動は多岐にわたる方みたいです。このプロファイルをみて納得しました。この方は比較的近い分野の人だと!今回残念ながら、なぜこのようなキャリアを歩んだのかを伺うことはできませんでしたが、マーケティングと社会学の融合を行っている人物だということは理解できたので、ぼくのキャリアのモデルケースとして参考にさせていただこうと思います。

超高齢社会の何が問題なのか?

あなたはこのサブタイトルに「正しく」解答することはできますでしょうか?今回の講義はこのサブタイトルから始まっていきます。高宮氏の紹介でもありましたが、彼はマーケティングを専門としているため、この問いに対して様々なオープンデータを使って解や仮説を導いていきます。1スライド、1グラフ(多くても2グラフ)で進む講義はとてもわかりやすかったです。使われていたデータはいずれも定量データですし、ぼくもみたことがあるオープンデータもありました。登場するグラフがきれいかというと、お世辞でもきれいとは言えないのですが、ストーリー性があるデータの見せ方はすごく腑に落ちてくるんですよね。非常に勉強になるプレゼンでした。脱線してしまいましたが、まずは「高齢者」や「高齢社会」という定義のおさらいがありました。これはぼくも知っていたことですが、改めてまとめておきます。

・年少人口(15歳未満)、生産年齢人口(15歳~64歳)、老年人口(65歳以上)

・高齢化率(全人口に占める老年人口の割合)

・高齢化社会(高齢化率7%超の状態)※日本は1970年に到達

・高齢社会(高齢化率14%超の状態)※日本は1994年に到達

・超高齢社会(高齢化率21%超の状態)※日本は2007年に到達(世界初)

ちなみに、推計データでは2040年になる前には高齢化率は30%を超えると言われており、2055年には日本人口のボリュームゾーンが80代前半となる想定です。そして、このような状況から日本は「課題先進国」と呼ばれるようになり、世界のモデルケースになるとポジティブ変換して邁進しているそうです。(課題先進国については高齢化問題以外も含まれて呼ばれるようになっています。)そのような状況において、超高齢社会への対応として下記の5つの選択肢のうち、最も有効な対応を一つだけ行うとした場合にどれを選ぶかというディスカッションに入ります。

1.金融資産保有の大半は高齢者のため、年金減額、支給開始繰り下げなどで、生産者の負担を減らす

2.少子化対策を徹底して出生率を上げる

3.移民を積極的に受け入れる

4.65歳と言わずに、生涯働いてもらう

5.その他

みなさんならどれを選びますかね?ちなみに、ぼくは4を選択しました。理由としては生産年齢人口の定義を変えることで、現状課題と呼ばれるものの大半は数字で見れば解決できると考えたからです。平均寿命も変化していることから、生産人口の年齢定義も変更することで、「課題」の質が変わり、対応策もよりクリティカルになると思いました。4以外の選択肢では課題の見方を変えることはできませんが、4であれば根本的に社会に見方が変わると思ったのが最大の理由です。まー、この議論には解答があるわけではないのですが、このあと、それぞれの選択肢を行った場合のシミュレーションや、そもそも超高齢社会は何が課題なのか?をオープンデータを使って説明されます。その際におっしゃっていたことは「課題」の本質を見抜かずに、対策を行ってはダメだということ。前回同様に「課題の本質を考える」という点は注意が必要であり、非常に重要な点だということを認識させられると同時に、リサーチの可能性を感じる内容でした。ちなみに、気になったデータを備忘録的にメモしておきます。

・65歳以上の中で介護不要者(アクティブシニア)は約2000万人

・アクティブ期間は約15年(つまり80歳までは介護を受けずに生活している人が多い)

・65歳以上の就労率はこの10年で上昇しているが、30年前と比較すると減少傾向

→自営業の減少が因果関係として存在している

このあたりから何か重要な施策を思いついたわけではないですが、データのピックアップの仕方や見方が勉強となりました。どのデータも公開されているので、改めてぼくがまとめなおすこともできますが、上記を聞くだけでも、先ほどの5つの選択肢の考え方も変わりますし、本質を掴むという点が肌感覚で感じられました。こうしたまとめ方をもう少しミクロな視点でも行っていくことがぼくがプロボノ的にまずはできることなのかもしれません。

生産でもなく、消費でもなく、流通が課題?

多くのデータを使って説明がなされましたが、話は生産でもなく、消費でもなく、流通に課題が発生したと述べていきます。この課題想起については『第四の消費』三浦展 (著)がもととなっているので詳しくはそちらで確認してみてください。(この課題想起の流れは授業でもすっとばしており、ぼくはその場ではロジックがわからなかったです。。)ということで、前半の内容が先ほどまでの高齢社会(課題の発見)でしたが、ここからは第四の消費をもとに課題の解決の内容になっていきます。まずは概念の整理です。

・第一の消費:1912-1941(日露戦争~日中戦争)

戦時中ということもあり、国家重視の考え方が消費の基礎となっている。消費の中心は映画「風立ちぬ」のような西洋文化が入り混じってきた大都市中心。大都市以外は自給自足に近いかたちがまだとられていた時代であり、親族が同じ敷地で暮らすという文化も根強かった。

・第二の消費:1945-1974(高度成長~オイルショック)

戦後の高度成長時代。親族が同様に屋敷で暮らすようなライスタイルから、団地が建設され、核家族化が進んでいく。大量生産・大量消費が進む。しかし、流通面では戦争の復興が遅れており、路面で不衛生な状態で生鮮食品が売られていた。核家族化が進んではいたが、市場からものを買うというスタイルはまだまだ根付いていない状況。

・第三の消費:1975-2004(オイルショック~バブル崩壊)

パラサイトシングルや単身者が増加していく。1980年を過ぎたころにクリスマス商戦(クリスマスにものを売り買いする)や飲食の持ち込みが禁止されるディズニーランドができた。このあたりが大きな消費の変化とされている。

・第四の消費:2005-2034(リーマンショック、阪神淡路大震災、3.11)

高齢者を含めた全層でシングル化が進む。第一の消費の時代にあったような「つながり」はない。家族内や地域共同体との関わりは薄まっていくが、その反面「社会」や「シェア」という関心は高まっている。

というそれぞれの消費の分類ですが、1980年から大きな変化を生んでいるみたいです。第一・第二の消費の時代までは生活に必要なものの調達は「市場からの購買」<「家族内・地域共同体」つまり、食料や衣類は自分で生産したり、地域内でのシェア(お裾分け)でした。この時代の雑誌では洋服をきれいに作るには?という特集も多く組まれていたみたいです。それが1980年を境に徐々に市場から購入が普通になっていきます。スーパーやコンビニは整備され、いまではネットでも購入できます。つまり、「市場からの購買」>「家族内・地域共同体」となり、市場以外の調達手段が失われたということです。そのさきがけが、クリスマス商戦(クリスマスにものを売り買いする)や飲食の持ち込みが禁止されるディズニーランドができたことみたいで、いままでの話を整理すると、第一・第二の消費の際には飲食を外で購入するという行動がありえなかったことですが、技術の進化に伴い、それが可能になり、ライフスタイルが変わっていったみたいです。そのような変化の中、第四の消費では市場ですべてがそろうので「今あるもので充分・満足」という感覚になり、市場以外の調達手段を求め「シェア」というところに幸福を感じるようになっている時代と説明がありました。(かなり飛び飛びなので、詳しくは第四の消費をぼくも読んでみようと思います。)ということで流通が市場に限定しているところが、問題となっており、その他の手段として「シェア」が注目されているということです。ただ、昭和の時代のような「しがらみのシェア」(大家とか家柄とか)ではなく、「removableなシェア」(選択可能・複数可能のような気軽なシェア)が重要ということ。(まとめいても高齢社会の問題が市場以外の調達手段が失ったところにつながるロジックがやはりわからないです。何か聞き逃しているのかな・・・)

ストックの”シェア”からフローの”シェア”へ

ではシェアによる生産・消費・流通とは何か?ここで高齢者のストックしているノウハウを使えないかという視点になっていきます。例えば経営をやってきた高齢者が若手の経営者にセミナーを行うなど、ストックしている何かをシェアすることで新たな生産・消費・流通を発生させるということです。しかし、それ以上に今後はフローのシェアが重要だと説いていました。つまり、ストックしている何かをシェアするのでなく、何か生み出すところからシェアしていくということです。言葉を言い換えると「オープンイノベーション」という言葉になりそうですね。ぼくが知っている事例ですと参加者同士で旅行を企画する「trippiece」とかがあてはまる気がしました。これが今後の新しいソーシャルデザインの方法論のひとつというまとめでした。一般的な企業マーケティングよりも、時間スケール、ステークホルダーを拡大して捉えることで新たな見方ができるという言葉が印象的でした。

まとめ

今回は下記2点が気になりました。

  1. 前回同様に「課題の本質」を見極めることが大切(シェアにおいても今までの文化形成がこのような価値観を生んでいるのでプロセスにも注目することが重要)
  2. フローのシェアやオープンイノベーションといった類いが新たなニーズを満たすアトリビュートとなっている(第四の消費という新たなニーズを満たすためのポイントが「共創」という点)

方法論ではなく、概念的な話しが多かった講義ですが「シェア」という発想が新たな商品属性になっているという感覚になりました。自身のサービスも「共創」という視点が入っているのでこのあたりの感覚をより見える化し、「共創」という点を閲覧者にもベネフィットとなる視点で語れるようにしていこうと思いました。それにしても今回はぼくがストーリ性を追いきれなかったので、、、まとまりにくい内容になってしまいました。。。すみません。。。来週以降はこうならないように気をつけようと思います。

おまけ

今回は授業が終わった後に飲み会に参加してきました!1回目の際は仕事があり断念したのですが、今回は調整して行ってきました!50人の中で15人程度が集まっていたのですが、みなさん多種多様な方ばかりで刺激のある場でした。「大手広告代理店勤務で学生時代に興味のあったソーシャルの分野に諦めきれずに個人で参加して今後のキャリア形成に役立てたいと思っている方」や「フリーのブランドコンサルタントの人でCSRなども手がけるためスキルアップを目的としている方」や「仕事とは別にソーシャル活動を行っているので、そこに活かせないかと思い参加された方」など、個人マネーで参加されている方が多かったです。そのため、みんな熱い想いを持っている方ばかりで話しも非常に盛り上がりました。かつ、様々なスキルを持ち合わせている人たちが集まっているので、この集団からも新たなソーシャルデザインが生み出せるのではないかとも期待できるメンバーです。今後もできる限り参加して、濃いネットワークを築ければと思います!